【怒りの奥にある本当の気持ちに寄り添う】怒っている子の関わり方

相手が怒っているとき、どう関わればいいのか迷うことはありませんか。

大きな声を出したり、泣きながら怒ったりする姿を見ると、つい「落ち着いて」と言いたくなってしまうものです。

下の絵本は、私が制作した絵本『ことのはうさぎのものがたり-3巻ー おこりのしずくがひらくとき』です。

ことのはうさぎのものがたり-3巻ー おこりのしずくがひらくとき

ユメノの絵本である『ことのはうさぎのものがたり-3巻-おこりのしずくがひらくとき』は、怒りを抱えたリスの子が、ことのはうさぎに出会ったことで、本当の気持ちに気づいていくお話です。

今回は、「怒っている相手への関わり方」について書いていきます。ぜひ、最後まで読んでいただけると幸いです。

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怒りの裏にある気持ちとは

怒りの裏にある気持ちとは、怒る前に感じる心の奥にある本当の気持ちです。

例えば

  • 寂しい
  • 悲しい
  • 不安
  • 分かって欲しい
  • 困っている

このような気持ちが心の奥に隠れています。このような気持ちが解消されないと、次のような形で怒りが表に出てきます。

  • 大きな声を出す
  • 物を投げる
  • 泣きながら怒る

しかし、表に出してしまったからといって、怒りが必ずしも悪いわけではありません。怒りはこれ以上傷つかないように自分を守るための感情でもあります。

怒りを受け止める関わり方

怒っているときはまず、怒る感情を否定しないようにしましょう。

  • 「怒っちゃだめ」
  • 「そんなことで怒らないの」
  • 「泣かないの」

などと言って気持ちを否定されると、「怒ってはいけないんだ」「この気持ちは出してはいけないんだ」と感じてしまいます。

そして、本当の気持ちは心の中に閉じ込められてしまい、その気持ちが解消されていないので、同じような場面で再び怒りとしてあふれてしまうことがあります。

そのため、怒りの気持ちを否定せず、怒りの奥にある気持ちに気づいてあげることが大切です。

怒りを受け入れる関わり方3ステップ

怒りを受け入れる関わり方は、3ステップあります。

  1. 怒りの感情を認める
  2. 原因を把握する
  3. 本当の気持ちに向き合う

1.怒りの感情を認める

まずは、怒りの気持ちをそのまま受け止めましょう。

  • 「怒っているんだね」
  • 「嫌だったね」
  • 「すごく悔しかったんだね」

「わかってもらえない」と感じると、気持ちを閉じ込めてしまいます。

しかし、気持ちを受け止めながら、してはいけない行動には境界線を示すことが大切です。

例えば、子どもの場合、おもちゃを取られて怒って友達を叩いてしまったとしましょう。

おもちゃを取られて怒ったことは受け止めても、人を叩いたり、物を投げたりする行動まで認める必要はありません。

「取られて嫌だったんだね。でも、叩くのはやめようね」

「怒ってもいい。でも、相手を傷つけていいわけではない」この二つを分けて伝えることで、子どもは自分の感情を否定せず、少しずつ適切な表現方法を学んでいきます。

2.原因を把握する

怒りは、突然生まれるものではありません。

・おもちゃを取られた
・話を聞いてもらえなかった
・思い通りにならなかった

こうした出来事の中で、心が傷ついています。

周りから見れば、小さな出来事でも、怒った相手にとっては大きな出来事である事があります。

そのため、「そんなことで怒らないの」などと判断するのではなく、「相手にとって何が嫌だったのだろうか?」と考えてみることが大切です。

また、怒りの原因は目の前の出来事だけとは限りません。

  • 眠い
  • お腹が空いている
  • 疲れている
  • 何度も我慢していた

など、いくつかのことが重なり、最後の小さな出来事をきっかけに怒りがあふれることもあります。

そのため、目の前の行動だけを見るのではなく、その前に何があったのかまで振り返ってみましょう。そうすることで怒りの理由が見えてくることがあります。

3.本当の気持ちに向き合う

怒りの奥には、次のような気持ちが隠れています。

・さみしさ
・悲しさ
・不安
・くやしさ

言葉にできない時は、気持ちを言葉にしてあげましょう。

  • 「かなしかったのかな」
  • 「わかってほしかったのかもしれないね」

ただし、「あなたは悲しかったんだよ」と決めつけるのではなく、「〜だったのかな?」と一緒に探す姿勢が大切です。

「違う!」と言われたら、それも大切な答えです。

「そっか、悲しかったんじゃないんだね。じゃあ、どんな気持ちだったのかな」

と、一緒に探していけばよいのです。

正解を当てることが目的ではありません。「自分の気持ちをわかろうとしてくれる人がいる」という経験そのものが、安心につながります。

そして、この経験を繰り返すことで、少しずつ、

「自分は、いま悔しいんだ」
「本当は、悲しかったんだ」
「嫌だったって言えばいいんだ」

と、自分の気持ちに気づき、言葉で伝えられるようになっていきます。

怒っているときの関わり方のポイント

怒っているときの安心できる関わり方のポイントは、3つあります。

・無理に理由を聞かない
・すぐに正解を出そうとしない
・落ち着くまで安心できる環境をつくる

無理に理由を聞かない

  • 「どうして怒っているの?」
  • 「何が嫌だったの?」

と理由を聞きたくなることがあります。

しかし、すぐに聞いてもまだ気持ちを整理できていないことがあります。

その状態で何度も理由を聞かれると、答えられないこと自体が負担になり、さらに怒ったり泣いたりしてしまうこともあります。

そんなときは、

  • 「今は話したくないんだね」
  • 「落ち着いてからで大丈夫だよ」

と、話せるようになるまで待ってあげましょう。

気持ちを聞くことよりも、まず安心して落ち着けることを優先すると良いでしょう

すぐに正解を出そうとしない

気持ちが落ち着くまでは、正解を伝えたり、すぐに解決しようとしないようにしましょう。

  • 「こうすればよかったね」
  • 「次はこうしよう」

その前に必要なのは、気持ちが受け止められることです。

もちろん、落ち着いたあとには「次はどうしたらいいか」を一緒に考えることも大切です。

怒りや悲しみが大きいときにすぐ解決策を伝えると、「気持ちをわかってもらえなかった」と感じてしまうことがあります。

まずは、

  • 「嫌だったね」
  • 「悔しかったね」
  • 「一生懸命やったんだね」

と気持ちを受け止める。

そして、落ち着いてから、「じゃあ、次はどうしたらいいかな?」と一緒に考えていきましょう。

受け止める → 落ち着く → 一緒に考える

この順番を意識することが大切です。

落ち着くまで安心できる環境をつくる

怒っているときは、たくさん話しかけることよりも、安心して落ち着ける環境をつくることが大切な場合があります。

そばにいてほしい人もいれば、一人で少し距離を置いたほうが落ち着ける人もいます。その相手の様子を見ながら、

  • 「ここにいるよ」
  • 「落ち着いてから話そうね」
  • 「少し一人でいたい?」

など、その相手が安心できる距離で見守りましょう。

そして、落ち着いてから、

  • 「さっき、すごく怒っていたね」
  • 「何が嫌だったのかな?」

と振り返ればよいのです。

怒っているその瞬間に、すべてを解決する必要はありません。

まず安心する。

次に気持ちを整理する。

そして最後に、どうしたらよかったのかを一緒に考える。

この経験を積み重ねることで、「怒ってはいけない」と感情を押し込めるのではなく、

  • 「怒っても大丈夫」
  • 「でも、人を傷つける以外の伝え方がある」
  • 「自分の気持ちは言葉にできる」

ということを少しずつ学んでいきます。

年齢別 怒りの気持ちへの寄り添い方

年齢別に、怒りの気持ちへの寄り添い方についてまとめました。

🌱 0〜2歳

0~2歳は、身体で感じる時期。

怒りも「不快」「不安」「怖い」といった感覚で、まだ言葉で感情を理解することができません。まずは、言葉より安心して落ち着ける環境をつくることが大切です。

関わり方

・抱っこする
・そばにいて安心させる
・やさしい声で話しかける

声かけ例

  • 「びっくりしたね」
  • 「いやだったね」
  • 「ここにいるよ」

🌱 3〜4歳

3〜4歳は、少しずつ言葉が増え、感情に気づき始める時期。ただし、まだ自分の気持ちをうまく整理したり、言葉にしたりするのは難しく怒りとして表現されることが多くあります。

「怒り=悪いものではない」と感じられるように安心して気持ちを受け止めてもらうことが大切です。

関わり方

・気持ちを代わりに言葉にしてあげる
・否定せず、共感を大切にする
・気持ちに名前があることを伝える

声かけ例

  • 「いやだったね」
  • 「かなしかったのかな」
  • 「おこっても だいじょうぶだよ」

🌱 5〜6歳

5〜6歳は気持ちを少しずつ言葉にできるようになり、「なぜ怒ったのか」を考えられるようになる時期。
怒りの奥にある気持ちに気づき、それをどう伝えるかを学ぶ段階に入ります。気持ちを引き出しながら、自分で考える力を育てる関わりが大切です。

関わり方

・気持ちを一緒に整理する
・問いかけを通して考えさせる
・正解を求めず、気持ちを受け止める

声かけ例

  • 「どうして おこったのかな?」
  • 「ほんとは どんなきもちだった?」
  • 「どうやって つたえたらいいかな?」

🌿 小学生(7〜12歳)

小学生は、感情を理解し始める時期。この時期は、感情の種類が増え、理由も理解できるようになります。

気持ちを整理し、言葉にできるようにサポートしましょう。

関わり方

・話を最後まで聞く
・否定せず共感する
・気持ちと言葉をつなぐ

声かけ例

  • 「どんなことがあったの?」
  • 「それはくやしかったね」
  • 「どうしてそう思ったのかな?」

🌸 思春期(中学生〜高校生)

思春期は、自立心が強くなる時期。感情を見せることをためらうこともあります。“踏み込みすぎない優しさ”が大切です。

踏み込みすぎないように自分で気持ちを理解し、整理できるようにしましょう。

関わり方

・無理に聞き出さない
・距離を保ちながら見守る
・必要なときだけ寄り添う

声かけ例

  • 「話したくなったら、いつでも聞くよ」
  • 「つらかったね」
  • 「そっとしておくね」

🌼 大人(親・自分自身)

大人もまた、怒りの奥に本当の気持ちを持っています。大人が自分の感情を理解することが、子どもへの関わりにそのまま影響するため、自分の感情に気づき、整えるようにしましょう。

自分への関わり方

・一度立ち止まる
・「本当は何を感じているか」を考える
・自分を責めない

自分への声かけ

  • 「本当は悲しかったんだな」
  • 「わかってほしかったんだな」
  • 「よくがんばってる」

まとめ

怒っているときは、まずは怒りの裏にある気持ちに気づくことが大切です。

怒りを受け止めてもらえることで、「伝えてもいい」「わかってもらえる」と安心感が生まれます。

その積み重ねが、怒り以外の表現を選ぶ力につながっていきます。

そして、自分の気持ちを理解できるようになると、相手の気持ちにも気づけるようになります。

怒りの奥にある気持ちに寄り添うことは、心を育てることにつながっていきます。

~絵本の紹介~

ことのはうさぎのものがたり-3巻ー おこりのしずくがひらくとき

ユメノオリジナル絵本『ことのはうさぎのものがたり-3巻-』~おこりのしずくがひらくとき~が、AmazonのKindle版で販売中です。

  • すぐ怒ってしまって、あとで落ちこむ子ども
  • 怒っちゃいけないと、気持ちをがまんしている子
  • 自分の気持ちを言葉にするのがむずかしい子

そして、

  • 子どもの怒りへの関わり方に悩んでいる保護者の方
  • 保育・教育・支援の現場で感情理解を大切にしたい方
    にも、やさしく寄り添う一冊です。 

ぜひ、興味のある方は、読んでみてくださいね!

🌿ことのはうさぎの ひとこと🌿

「おこりのしたには、 ほんとうの きもちが かくれているよ。
『おこらないで』より、『どうしたの?』って きいてあげてね。」

yumeno

元保育士/ブロガー/絵本作家

短大(保育科)を卒業後、保育園や院内保育所、夜間託児所を経験。さまざまな保育現場で子どもたちの心に寄り添いながら関わってきました。

現在は保育士としての経験をもとに、オリジナル絵本を制作しています。このブログでは、絵本をより深く楽しんでいただけるよう、絵本のテーマを保育の視点からわかりやすく解説したブログを発信しています。

このブログが、子どもはもちろん、大人にとっても心を見つめ直すきっかけとなり、穏やかで心温かな繋がりが広がっていくよう願っています。

~姉妹ブログの紹介~
ユメノのオリジナル絵本は、「ことのはうさぎのものがたり」シリーズの他にドラゴンシリーズもあります。
姉妹ブログであるyumeno国で紹介していますので、興味がありましたら、こちらもお立ち寄りください。

また、他のオリジナル絵本も制作する予定ですので、お楽しみに!

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