子どもはなぜかんしゃくを起こすの?かんしゃくを起こす理由と落ち着くための対処法

- 「思いどおりにならないと、すぐ泣き叫ぶ」
- 「床に寝転がって動かなくなる」
- 「物を投げたり、叩いたりしてしまう」
子どものかんしゃくに戸惑うことはありませんか?
子どものかんしゃくは、単なるわがままではありません。
この記事では、子どもがかんしゃくを起こす理由と、かんしゃくが起きたときの対処法について分かりやすく解説します。
ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。
かんしゃくとは?
かんしゃくとは、自分の思いどおりにならなかったときなどに、感情が大きくあふれる状態です。
例えば、
・大声で泣く
・叫ぶ
・床に寝転がる
・物を投げる
・叩く、蹴る
・「イヤ!」を繰り返す
・その場から動かなくなる
といった姿が見られます。
大人から見ると、「そんなことで?」と思うような小さな出来事がきっかけになることもあります。
しかし、子どもにとっては、その出来事がとても大きなことなのです。
かんしゃくは、「困らせてやろう」と思って起こしているものではありません。
むしろ、自分でもどうしたらよいのか分からず、困っている状態と考えると分かりやすいでしょう。
つまり、かんしゃくは子どもが感情をうまく処理できないために起こる自然な反応です。
子どもがかんしゃくを起こす理由
かんしゃくが起こる背景には、6つの理由があります。
- 自分の気持ちをうまく言葉にできない
- 「自分でやりたい」という気持ちが強い
- 思いどおりにならないことを受け入れるのが難しい
- 気持ちを分かってほしい
- 疲れや眠気がたまっている
- 急な予定変更が苦手
1.自分の気持ちをうまく言葉にできない
子どもは、心の中ではたくさんのことを感じています。
しかし、
- 「悔しい」
- 「悲しい」
- 「まだ遊びたかった」
- 「自分で決めたかった」
と、自分の気持ちを正確に言葉で伝えることはまだ難しいことがあります。
例えば、おもちゃを取られたときも、「まだ使っていたから返してほしい」と言えればよいのですが、うまく伝えられず、泣いたり叩いたりすることがあります。
つまり、かんしゃくは、自分の中にあふれた気持ちをまだうまく扱えないときに起こる反応のひとつなのです。
2.「自分でやりたい」という気持ちが強い
子どもが成長してくると、
- 「自分でやりたい」
- 「自分で決めたい」
という気持ちが強くなります。
例えば、
- 自分で靴を履きたい
- 自分で食べたい
- 自分でボタンを留めたい
- まだ公園で遊びたい
という思いがあります。
しかし、大人から、
- 「時間がないからやってあげるね」
- 「もう帰るよ」
と言われると、「自分でしたかったのに!」という悔しさが生まれます。
まだその気持ちをうまく言葉にできないため、強い怒りとして表れることがあります。
「イヤ!」が増える時期は、困った時期というだけではなく、自分の意思が育ってきた時期でもあります。
3.思いどおりにならないことを受け入れるのが難しい
大人は、
- 「今日はできなくても仕方がない」
- 「次にしよう」
と気持ちを切り替えられることがあります。
しかし、子どもは、「やりたい」と思った気持ちをすぐに切り替えることがまだ難しいことがあります。
例えば、「お菓子がほしい」と思っているときに、「今日は買わないよ」と言われても、すぐに納得できるとは限りません。
子どもにとっては、「ほしいのに、どうしてだめなの?」という思いでいっぱいです。
そのため、泣いたり怒ったりして気持ちを表します。
4.気持ちを分かってほしい
かんしゃくの中には、「分かってほしい」という気持ちが隠れていることがあります。
例えば、公園から帰る時間になったとき、「まだ遊びたかった!」という気持ちがあります。
大人から、「もう帰るって言ったでしょう」と言われるだけでは、子どもは「気持ちを分かってもらえなかった」と感じることがあります。
一方で、「もっと遊びたかったんだね」と気持ちを受け止めてもらうだけでも、少しずつ落ち着いてくることがあります。
子どもは、要求をすべて叶えてほしいのではなく、自分の気持ちを分かってほしいことも多いのです。
5.疲れや眠気がたまっている
かんしゃくは、気持ちだけでなく、その日の状態にも左右されます。
例えば、
- 眠い
- お腹が空いている
- 長い時間外出して疲れている
- 予定が多くて落ち着けない
- 人の多い場所で疲れた
といった状態では、小さなことでも怒りが大きくなりやすくなります。
普段なら我慢できることでも、疲れている日は難しくなることがあります。
大人でも、疲れているとイライラしやすくなることがありますよね。
子どもも同じです。
「今日はかんしゃくが多いな」と感じたら、
- 「疲れていないかな」
- 「お腹は空いていないかな」
- 「少しゆっくりできるかな」
と生活の状態も見てみましょう。
6.急な予定変更が苦手
子どもは、先の見通しがないまま急に行動を変えることが苦手な場合があります。
楽しく遊んでいる途中で突然、「はい、帰るよ」と言われると、「まだ遊んでいたのに!」と強く反発することがあります。
これは、わがままというより、気持ちを切り替える準備ができていなかったからかもしれません。
そのため、
- 「あと5分で帰るよ」
- 「あと一回滑ったら帰ろうね」
と、あらかじめ伝えておくと、切り替えやすくなることがあります。
かんしゃくを起こしたときの対処法
かんしゃくを起こしたときの対応方法は、4つあります。
- まず安全を確保する
- 落ち着くまで待つ
- 気持ちを代わりに言葉にする
- 落ち着いてから一緒に考える
1.まず安全を確保する
物を投げる、叩く、走り出すなどの行動がある場合は、まず安全を守ります。
- 「叩かないよ」
- 「投げるのは止めるよ」
- 「危ないから、ここにいよう」
と短く伝えましょう。
必要であれば、危険な物を遠ざけたり、静かな場所へ移動したりします。
このとき、「怒っているんだね。でも、叩くのは止めるよ」というように、気持ちと行動を分けて伝えることが大切です。
怒ること自体を否定する必要はありません。
ただし、人を傷つける行動は止めます。
2.落ち着くまで待つ
かんしゃくの最中に
- 「どうして怒っているの?」
- 「泣かないの!」
- 「いい加減にしなさい!」
と何度も問いかけたり叱ったりしても、子どもは自分の気持ちを整理したり、大人の言葉を受け止めたりすることが難しい場合があります。
無理に理由を聞いたり、説得したり、叱ったりすると、かえって気持ちが大きくなり、かんしゃくが長引くこともあります。
まずは「今は落ち着く時間」と考え、子どもの気持ちが少しずつ静まるのを待ちましょう。
無理に泣き止ませる必要はありません。安心できる大人がそばにいることも、子どもが落ち着いていく助けになります。
3.気持ちを代わりに言葉にする
子どもがうまく言葉にできないときは、大人が気持ちを代弁してみましょう。
例えば、
- 「まだ遊びたかったんだね」
- 「自分でやりたかったね」
- 「できなくて悔しかったのかな」
- 「取られて嫌だったね」
などです。
ただし、「あなたはこう思っている」と決めつけるのではなく、「〜だったのかな」と一緒に探すように伝えることが大切です。
子どもが「違う」と言ったら、「そっか、違ったんだね」と受け止めましょう。
正解を当てることが目的ではありません。
「気持ちを分かろうとしてくれる人がいる」と感じられることが大切です。
4.落ち着いてから一緒に考える
子どもが落ち着いたら、一緒に出来事を振り返ってみましょう。
かんしゃくが収まったあとは、「どんな気持ちだったのか」「次はどう伝えればよいのか」を一緒に考える大切な時間です。
ここでは、3つの関わり方をご紹介します。
- 何が嫌だったのかを一緒に振り返る
- 次の伝え方を教える
- 気持ちを言えたことを認める
1.何が嫌だったのかを一緒に振り返る
落ち着いたあとに、
- 「さっき、すごく怒っていたね」
- 「何が嫌だったのかな」
と、一緒に振り返ってみましょう。
言葉にできない場合は、
- 「まだ遊びたかった?」
- 「自分でやりたかった?」
と、選びやすい形で聞くこともできます。
2.次の伝え方を教える
例えば、おもちゃを取られて叩いた場合は、「嫌だったときは、『返して』って言おうね」と別の方法を伝えます。
かんしゃくを起こしたことだけを叱るのではなく、子どもが落ち着いたら、一緒に出来事を振り返ってみましょう。
かんしゃくが収まったあとは、「どんな気持ちだったのか」「次はどう伝えればよいのか」を一緒に考える大切な時間です。
3.気持ちを言えたことを認める
子どもが、
- 「悔しかった」
- 「まだ遊びたかった」
と言えたら、
- 「教えてくれてありがとう」
- 「そうだったんだね」
と受け止めましょう。
自分の気持ちを言葉にできる経験が増えると、少しずつ行動ではなく言葉で伝えられるようになっていきます。
かんしゃくを減らすために普段からできること
かんしゃくを完全になくす必要はありません。
悲しい、悔しい、嫌だという気持ちを表すことも、子どもにとって大切な経験だからです。
大切なのは、「かんしゃくを起こさせないこと」ではなく、子どもが自分の気持ちに気づき、少しずつ言葉や別の方法で伝えられるようにしていくことです。
そのために、普段の生活の中でできることを4つご紹介します。
- 見通しを伝える
- 選択肢をつくる
- 日常の中で気持ちの言葉を増やす
- できたことだけでなく、気持ちも認める
1.見通しを伝える
子どもにとって、楽しいことを突然終わりにしたり、気持ちをすぐに切り替えたりすることは簡単ではありません。
例えば、公園で夢中になって遊んでいるときに突然、「もう帰るよ!」と言われたら、「まだ遊びたかった!」という気持ちが一気にあふれてしまうことがあります。
そこで大切なのが、次に何をするのかを少し前に伝えておくことです。
例えば、
- 「あと5分で帰るよ」
- 「あと1回滑ったら帰ろうね」
- 「この絵本を読んだら寝る時間だよ」
- 「これが終わったらお風呂に入ろうね」
などと伝えてみましょう。
あらかじめ知らせてもらうことで、子どもは「もうすぐ終わるんだ」と少しずつ気持ちを切り替える準備ができます。
もちろん、予告したからといって、毎回すんなり切り替えられるわけではありません。
「分かった」と言っていたのに、いざ帰る時間になると「まだ帰らない!」と泣くこともあります。
そんなときも、「さっき言ったでしょう!」と責めるのではなく、「まだ遊びたかったね。でも、今日は帰る時間だよ」と、気持ちを受け止めながら必要なことを伝えていきましょう。
見通しを伝えることは、子どもの要求をすべて叶えることではなく、気持ちを切り替えるための準備時間をつくることなのです。
2.選択肢をつくる
子どもは成長するにつれて、
- 「自分でやりたい」
- 「自分で決めたい」
という気持ちが強くなっていきます。
しかし、生活の中では、
- 「着替えて」
- 「片づけて」
- 「お風呂に入って」
- 「もう帰るよ」
など、大人が決めなければならないこともたくさんあります。
毎回すべてを大人に決められていると、「自分で決めたかった」という気持ちが大きくなり、かんしゃくにつながることがあります。
そこで、大人が決める必要がない部分は、子どもが選べるようにしてみましょう。
例えば、
- 「赤い服と青い服、どちらにする?」
- 「自分で片づける? 一緒にする?」
- 「先に歯を磨く? 着替える?」
- 「歩いて帰る? 手をつないで帰る?」
などです。
ここで大切なのは、大人がどちらを選ばれても困らない選択肢を出すことです。
小さなことでも「自分で選べた」という経験があると、子どもの「自分で決めたい」という気持ちを大切にすることができます。
3.日常の中で気持ちの言葉を増やす
「嫌!」と怒っていても、その奥には、
- 「悔しい」
- 「悲しい」
- 「寂しい」
- 「もっとやりたかった」
- 「自分でやりたかった」
- 「分かってほしかった」
など、さまざまな気持ちが隠れていることがあります。
しかし、こどもは、自分の気持ちをうまく言葉にできないことがあります。
うまく言葉にできないときは、かんしゃくが起きたときだけではなく、普段の生活の中で大人が気持ちを言葉にしてあげることが大切です。
例えば、
- 「できて、うれしいね」
- 「急に音がして、びっくりしたね」
- 「負けて悔しかったね」
- 「お友だちが帰って、寂しかったのかな」
- 「楽しみにしていたから、残念だったね」
など、そのときの出来事と気持ちを結びつけて伝えてみましょう。
絵本も、気持ちの言葉に出会うきっかけになります。
登場人物を見ながら、
- 「この子、どんな気持ちかな?」
- 「悲しかったのかな?」
- 「どうして怒ったんだろうね」
と一緒に考えてみるのもよいでしょう。
ただし、毎回質問する必要はありません。
「この子、悔しかったのかもしれないね」と大人がつぶやくだけでも、子どもはさまざまな気持ちを表す言葉に触れることができます。
日頃から気持ちを表す言葉にたくさん出会うことで、少しずつ、「イヤ!」だけではなく、
- 「悔しかった」
- 「まだやりたかった」
- 「それは嫌だった」
と、自分の気持ちを言葉で表せるようになっていきます。
4.できたことだけでなく、気持ちも認める
子どもがかんしゃくを起こさずに行動できると、つい、
- 「泣かなかったね」
- 「我慢できたね」
- 「ちゃんとできたね」
と褒めたくなることがあります。
もちろん、できたことを認めるのも大切です。
しかし、それだけではなく、子どもが自分の気持ちを言葉で伝えようとしたことにも目を向けてみましょう。
例えば、
- 「嫌だったけれど、『やめて』って言えたね」
- 「悔しかったことを教えてくれたね」
- 「まだ遊びたかったって言えたね」
- 「困ったときに『手伝って』って言えたね」
などです。
大切なのは、「泣かなかったこと」だけを良いことにしないことです。
泣くことや怒ることそのものが悪いわけではありません。
目指したいのは、感情を我慢できる子にすることではなく、自分の気持ちに気づき、相手を傷つけない方法で伝えられるようになることです。
例えば、以前ならおもちゃを取られたときに相手を叩いていた子が、「返して!」と言えるようになったとします。
少し強い言い方だったとしても、まずは、
- 「返してほしいって言えたね」
- 「嫌だったことを言葉で伝えられたね」
と、言葉で伝えようとしたことを認めてあげましょう。
そのうえで、「今度は『まだ使ってるよ』って言ってみてもいいね」と、次の伝え方につなげていくことができます。
こうした経験を重ねることで、子どもは少しずつ、「嫌なことがあったときは、叩いたり物を投げたりする以外にも、言葉で伝える方法がある」ことを知っていきます。
まとめ
子どもがかんしゃくを起こすのには、理由があります。
かんしゃくが起きたときに大切なのは、
→安全を守る
→落ち着くまで待つ
→ 気持ちを言葉にする
→ 落ち着いてから次の方法を考える
という関わりです。
子どもの気持ちを受け止めることは、わがままを何でも許すことではありません。
- 「もっと遊びたかったんだね。でも、今日は帰るよ」
- 「取られて嫌だったんだね。でも、叩くのは止めようね」
というように、気持ちは受け止めながら、守ってほしい約束や必要な境界線を伝えることはできます。
かんしゃくを「困った行動」として見るだけではなく、「うまく伝えられない気持ちが表れているのかもしれない」と考えてみると、子どもの姿の見え方が少し変わるかもしれません。
子どもは、泣いたり怒ったり、ときにはうまく伝えられなかったりする経験を重ねながら、少しずつ、自分の気持ちに気づき、言葉で伝え、気持ちと付き合っていく方法を身につけていきます。
かんしゃくは、その成長の途中に見られる姿のひとつです。
すぐに変わらなくても、毎日の関わりの積み重ねが、少しずつ子どもの「伝える力」につながっていくのです。
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🌿ことのはうさぎの ひとこと🌿
「かんしゃくは、困らせたいからじゃないんだ。まだ言葉にできない気持ちが、『気づいて』って一生懸命伝えているんだよ。
泣き止ませることだけが子育てじゃない。泣いても安心できる場所でいてあげよう」
yumeno
元保育士/ブロガー/絵本作家
短大(保育科)を卒業後、保育園や院内保育所、夜間託児所を経験。さまざまな保育現場で子どもたちの心に寄り添いながら関わってきました。
現在は保育士としての経験をもとに、オリジナル絵本を制作しています。このブログでは、絵本をより深く楽しんでいただけるよう、絵本のテーマを保育の視点からわかりやすく解説したブログを発信しています。
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