今回は子どもの食物アレルギーの中でも特に多い卵アレルギーについてお話しします。赤ちゃんの離乳食が始まる頃から悩むご家庭も多いと思います。
この記事では、卵アレルギーの基本から対策、安心できる食生活のヒントまでをお届けします。
卵アレルギーとは?
卵アレルギーは、卵のたんぱく質に対して体の免疫が過剰に反応する状態です。主に反応するのは、卵白に含まれる「オボアルブミン」「オボムコイド」などのたんぱく質です。卵黄も反応することがありますが、卵白より頻度は低めです。
どんな症状が出るの?
食べた直後~数時間以内に以下のような症状が見られることがあります。
- 口のまわりや体の発疹、赤み、かゆみ
- 嘔吐や下痢、腹痛
- 咳、呼吸困難、ぜんそく様の症状
- 重症例ではアナフィラキシーショック(命にかかわる急性反応)
これらの症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。
どうやって診断するの?
アレルギーの疑いがあるときは、自己判断せずに小児科やアレルギー科を受診しましょう。以下の検査で原因を特定します。
- 血液検査(IgE抗体の有無を調べる)
- 皮膚プリックテスト
- 食物経口負荷試験(医療機関で実施)
医師の指導のもとで、安全に診断を受けることが大切です。
卵は絶対に食べてはいけないの?
卵アレルギー=完全除去、ではありません。最近の医療ガイドラインでは、「必要以上に除去しない」ことが推奨されています。
- 加熱時間が長い(例:ゆで卵、焼き菓子など)ほどアレルゲン性が低下する場合があります。
- 少量ずつ医師の指導で摂取する「経口免疫療法」も選択肢の一つです。
- ただし、自己判断で食べさせるのは非常に危険です。必ず医師と相談しながら進めましょう。
卵を使わない食生活って大変?
卵は多くの加工食品に使われているため、最初は戸惑うかもしれません。ですが、代替食品やレシピの工夫で、十分においしい食事が可能です。
卵の代わりになる食材例:
- ホットケーキには…豆腐やバナナでふんわり感アップ
- ハンバーグには…じゃがいもやパン粉+豆乳でつなぎに
- マヨネーズは…卵不使用のアレルギー対応商品を活用
食品表示に注意!
市販品には「卵」「卵由来成分」が含まれることがあります。必ず食品表示を確認し、「特定原材料(7品目)」のアレルゲン表示に注目しましょう。
保育園や学校との連携も重要
給食や行事で卵が提供されることもあるため、アレルギー対応の申請や医師の診断書が必要になる場合があります。周囲の理解と協力を得ることも、子どもを守る大切なステップです。
まとめ
卵アレルギーは、正しく対処すれば日常生活を安心して送ることができます。何より大切なのは、「食べられないこと」より「代わりにできること」に目を向けることです。
子どもにとっても、「自分は安全に過ごせている」という実感が何よりの安心になります。家族で支え合いながら、前向きにアレルギーとつきあっていきましょう。
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