【脳梁離断術の後遺症とは?】てんかん手術後に知っておきたい影響と回復の見通し

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てんかんの発作が薬でコントロールできないとき、脳梁離断術(のうりょうりだんじゅつ)という手術が選択肢になることがあります。
これは、発作の異常な電気信号が左右の脳に広がらないように、左右の大脳半球をつなぐ「脳梁(のうりょう)」を切断する手術です。

発作の頻度や重さを軽減できるケースがある一方で、手術後に出る後遺症や変化が不安という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、脳梁離断術とは?脳梁を切るとどうなる?後遺症や手術後のリハビリとサポートまで詳しく解説しています。

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脳梁離断術とは?

脳梁離断術(Corpus Callosotomy)とは、脳の左右をつなぐ「脳梁」という神経線維の一部または全部を切断する手術です。

この手術は主に以下のような難治性てんかん(薬が効かないてんかん)に対して行われます:

  • 頻繁な転倒発作(アトニック発作)
  • ミオクロニー発作(体がビクッとする発作)
  • 両側性(左右両方に広がる)発作
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脳梁を切るとどうなる?

脳梁は、右脳と左脳を情報伝達でつなぐ「橋」のような役割を果たしています。

脳梁離断術を行うと

  • 発作の電気信号が左右の脳に広がりにくくなる
  • これにより、重度の全身発作を軽減または抑制できる
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脳梁離断術の主な後遺症・副作用

手術の目的は「発作の改善」ですが、**脳梁を切断することによる副作用(後遺症)**が出ることもあります。

1. 分離脳症候群(ディスコネクト症候群)

脳梁がなくなることで、左右の脳がうまく連携できなくなる状態。

具体的な症状:

  • 右手と左手で別々の動きをすると混乱(例:ボタンを右手でかけようとして、左手で外してしまう)
  • 言葉では理解できるのに、視覚的な情報がうまく使えない
  • 「左手が勝手に動く」と感じる(エイリアンハンド症候群

※ただし、子どもは脳の可塑性(回復力)が高く、こうした症状は軽度または一時的なことが多いです。

2. 一時的な運動機能の低下

  • 手術直後に歩きにくくなる・バランスが取りにくいなどの運動機能低下が見られることがあります
  • 多くの場合、数日~数週間で改善していきます

3. 学習・記憶機能の影響(まれ)

  • 一部の人では、言葉の流れや記憶の統合がうまくいかなくなることも
  • ただし、全脳梁切断よりも前方脳梁(部分切断)の方が後遺症は少ない
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後遺症の出方には個人差がある

後遺症の程度は以下の要因によって異なります:

要因影響度
年齢幼児~小児は回復力が高く、重度な後遺症は出にくい傾向
切断の範囲前部のみの切断(前方脳梁離断)の方が副作用は少ない
脳の元々の状態脳に他の障害があると、症状が強くなることも
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🏥 手術後のリハビリとサポート

後遺症の予防・改善には、手術後のリハビリと生活支援が重要です。

理学療法(バランス・歩行)

目的

  • バランス感覚の回復
  • 歩行・体幹の安定
  • 両手足の協調運動の改善

具体的な内容

  • 平衡感覚トレーニング(片足立ち・平均台)
  • 歩行訓練(手引き歩行、歩行器使用)
  • 階段昇降や方向転換などの応用運動
  • 両手足を交互に使う動きの反復(自転車こぎ動作など)

💡 歩行のふらつきや、左右の手足のぎこちなさが見られる場合に効果的です。

作業療法(手の協調運動)

目的

  • 手指の協調性向上
  • 日常生活動作(ADL)の自立
  • 空間認識や視覚と手の連携の再教育

具体的な内容

  • 洋服のボタンかけ、ひも結びなど手指訓練
  • 折り紙やお絵描き、パズルなど両手を使った遊び
  • 箸やスプーンの持ち方・使い方の再学習
  • 「両手で別の動作をする練習」(例:紙を押さえて切る)

💡 右手と左手で意図が合わないといった「左右非協調」への対応として行われます。

言語療法(コミュニケーション支援)

目的

  • 言語理解・表出の支援
  • 発語や会話の促進
  • 認知機能のトレーニング

具体的な内容

  • 絵カードを使った名詞・動詞の再学習
  • 音読や反復課題(ことばのリズム訓練)
  • 会話のやりとりを練習するロールプレイ
  • 視覚とことばの統合トレーニング(例:絵を見て説明する)

💡「見えているのに言葉が出ない」「説明がうまくできない」といった視覚性失語や語想起障害に対応します。

ご家族の支援ポイント

  • 急な変化に驚かず、長期的な視点で見守る
  • 発作の記録を続ける
  • 医師・リハビリスタッフとの連携をしっかりとる

家庭でできるリハビリのポイント

  • 両手を使った遊び(積み木、ブロック、ボール遊び)を取り入れる
  • 声かけや会話の機会を多くつくる
  • 成功体験を積ませて自信を育てる(できたことをほめる)
  • 環境を整える(転倒防止、集中しやすい静かな場所)

▶ 学校・園との連携:

  • 発作があった場合の対応方法を共有
  • 書字や工作が苦手な場合は合理的配慮を依頼
  • 疲れやすさ・注意力の偏りに応じたスケジュール調整
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まとめ:脳梁離断術の後遺症は?

項目内容
よくある後遺症手足の協調運動の違和感、混乱、運動低下など
重度なものは?分離脳症候群、言語や記憶の障害(まれ)
子どもは?脳の回復力が高く、後遺症は軽く済むことが多い
対策は?術後のリハビリ・継続的な観察が重要

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