あなたのお子さんは、大丈夫ですか?
2025年に入り、6月8日までに全国で2万8553人に増えている百日咳。ワクチンを打つ前に重症化や死亡、抗菌薬が効かないなどトラブルが続いているそうです。
「子どもが何週間も咳をしてるけど、風邪かな?」
「夜中になると咳き込んで眠れないみたい…」
もしかしたらそれ、百日咳(ひゃくにちぜき)かもしれません。風邪によく似ていて見分けがつきにくく、特に赤ちゃんがかかるととても危険です。
今回は、百日咳の症状や原因、予防法について解説していきます。
百日咳とは?長引く咳の正体
百日咳は、「百日咳菌」という細菌によって引き起こされる感染症です。感染すると、主に呼吸器系に症状が出ます。
昔からある病気で、「百日も咳が止まらない」と言われたことが名前の由来です。今でも子どもを中心に毎年多くの人がかかっており、大人も油断できません。
こんな症状が出たら要注意!百日咳の段階別症状
初期の症状は風邪にそっくりですが、進行すると特徴的な咳が現れます。
◎ 初期(1〜2週間)
- 軽い咳
- 鼻水
- 微熱
この時期は風邪と見分けがつきにくく、感染力が非常に強いので注意が必要です。
◎ 中期(2〜6週間)
- 特徴的な咳: 咳が次第にひどくなり、短く連続する咳(スタッカート)の後に、息を吸い込むときに「ヒュー」という笛のような音(レプリーゼ)がするのが特徴です。
- 嘔吐: 咳き込みすぎて吐いてしまうことも少なくありません。
- 顔の紅潮・チアノーゼ: 咳の発作で顔が赤くなったり、ひどい場合は唇が青くなったりすることもあります。
この咳が何週間も続き、体力もかなり奪われます。
◎ 回復期(数週間〜数ヶ月)
咳の回数や程度は徐々に減っていきますが、完全に治るまでには時間がかかります。
どうしてうつるの?百日咳の感染経路
百日咳は咳やくしゃみで飛び散るしぶき(飛沫)によって人から人へ感染します。特に以下のような場面では感染リスクが高まります。
- 幼稚園や学校など人が多い場所
- 家族内での感染
- 免疫が落ちているとき
誰がかかりやすいの?特に注意が必要な人
- 乳幼児: 生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、特徴的な咳が出ずに無呼吸発作を起こしたり、肺炎や脳症などの合併症を引き起こし、重症化して命に関わることもあります。
- 高齢者や持病のある方: 免疫力が低下しているため、重症化のリスクが高まります。
百日咳の治療
百日咳の治療には抗菌薬が使われます。早期に抗菌薬を服用することで、症状の軽減や感染力の低下が期待できます。
ただし、咳が始まってから時間が経つと抗菌薬の効果は限定的になるため、早期診断・早期治療が重要です。
百日咳の予防法
百日咳の予防には、ワクチン接種が最も効果的です。
ワクチン接種でしっかり予防!
- 定期予防接種(日本では「四種混合ワクチン」に含まれています)
生後2か月から「四種混合ワクチン(DPT-IPV)」で百日咳の予防接種がスタートします。
1期初回(生後2か月〜)
追加接種(1歳前後)
しっかりスケジュール通りに受けることが大切です。
希望すれば大人向けのワクチンを打つこともできます。特に、妊婦さんや新生児の家族は推奨されることもあります。
うつさない・うつらないための対策
- 咳が出るときはマスク着用する
- 手洗いやうがいをしっかりする
- 症状があるときは早めに受診・無理して外出しないようにする
まとめ
「風邪が長引いてるだけ」と思っている咳が、実は百日咳かもしれません。百日咳菌は、気管や気管支の粘膜に付着し、毒素を出します。この毒素が粘膜を傷つけ、気道の炎症を引き起こすため、激しい咳が長く続きます。
百日咳は、早期発見・治療が大切です。2週間以上咳が続き「もしかして百日咳かも?」と感じたら、迷わず医療機関を受診しましょう。
そして、百日咳は、ワクチンで予防できる病気です。自身やご家族のワクチン歴も一度確認して接種が済んでいない場合は、医師に相談して接種をしておきましょう。
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