春から秋にかけては、アウトドアや公園遊びが楽しい季節。でも…草むらや山林には“マダニ”という危険が潜んでいます!
この記事では、近年日本でも増えている「マダニ感染症」について、以下の内容をわかりやすく解説します。
- 主なマダニ感染症と症状
- マダニの生態と咬まれたときの対処法
- 家族を守るための予防策
マダニってどんな生き物?
マダニは、森林や草むら、ペットの体などに生息する節足動物で、人や動物に取りついて吸血します。
咬まれても痛みやかゆみを感じにくいため気づきにくく、長時間吸血されることでウイルスや細菌を媒介する危険があります。
特に春〜秋は活発に活動するため、野外でのレジャーやキャンプ、登山、公園遊びの際には十分な注意が必要です。
主なマダニ感染症とその特徴
① 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- 原因:SFTSウイルス(ブニヤウイルス科)
- 症状:高熱、嘔吐、下痢、意識障害、出血傾向
- 致死率:10〜30%と非常に高く、特に高齢者は注意が必要
- 発生地域:四国・九州・中国地方など、西日本を中心に発生
💬 注目ポイント
日本全国で報告数が増加しており、致命的な感染症のひとつです。
② 日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)
- 原因:リケッチア・ジャポニカ(Rickettsia japonica)
- 症状:高熱、発疹、刺し口、倦怠感など
- 潜伏期間:2~8日
- 治療:テトラサイクリン系抗菌薬で治療可能
💬 注目ポイント
治療薬はあるものの、早期発見がカギとなります。
③ ライム病
- 原因:ボレリア属(Borrelia burgdorferiなど)
- 症状:遊走性紅斑(赤い輪のような発疹)、発熱、関節痛、神経症状
- 主な地域:長野・北海道など(欧米でも有名)
💬 注目ポイント
初期の赤い発疹に早く気づけば、早期治療が可能です。
④ Q熱
- 原因:コクシエラ・バーネッティ(Coxiella burnetii)
- 症状:発熱、頭痛、筋肉痛、まれに肺炎や肝炎
💬 注目ポイント
一見「ただの風邪」と思って見過ごされやすいので要注意です。
子どもが咬まれやすい場所は?
マダニは、皮膚のやわらかく温かい場所を好みます。
次のような部位は特に注意してチェックしましょう:
- 頭皮・髪の生え際
- 耳のうしろ
- 首まわり
- わきの下
- ひざの裏
- 足のつけ根
✅マダニ感染症の予防方法
対策 | 内容 |
---|---|
長袖・長ズボン | 皮膚の露出を避け、マダニの付着を防ぐ |
虫よけスプレー | ディートやイカリジン配合が効果的。子ども用も市販されています |
野山・草むらを避ける | 春〜秋はマダニが多く、草むら・動物の通り道は特に注意 |
ペットのダニ対策 | 散歩後は犬や猫の体をチェック。ペットから家族に感染することも |
帰宅後のチェック | 衣服・頭皮・首・わきの下など、吸血されやすい部分を入念に確認 |
マダニに咬まれたらどうする?
❌ 絶対にやってはいけないこと
- 無理に引きはがすこと
マダニの口器が皮膚内に残ってしまい、感染リスクが高まります。
正しい対処の基本
- できるだけ早く医療機関(皮膚科・内科・小児科)を受診しましょう。
病院では、専用器具を使ってマダニを安全に除去し、消毒や感染予防の処置をしてくれます。 - 自宅で対応する場合(推奨はしませんが…)
専用のピンセット(ティックツイスターなど)で、マダニの体を潰さずゆっくり引き抜きましょう。
🧰 家庭に備えて安心「マダニ応急キット」
- マダニ除去用ピンセット(先が細いタイプ)
- アルコール綿や消毒液
- 清潔なガーゼや絆創膏
- 小さなビニール袋(マダニを保管して病院に持参)
- メモ帳・ペン(咬まれた日時や場所を記録)
👉 アウトドアや公園遊びが多いご家庭は、ぜひ携帯しておきましょう!
やっぱり病院に行くべき理由
たとえ自分でマダニを取ったとしても、感染症のリスクはゼロではありません。
- 潜伏期間中に症状が出てくる可能性がある
- マダニの口器などが皮膚内に残っているかもしれない
- 医師による適切な除去・消毒・感染症対策が必要
💡 皮膚科・内科・小児科などの受診は必ず行いましょう。
📝 まとめ:命を守るには「予防+早期対応」がカギ!
マダニ感染症は決してまれな病気ではなく、毎年日本国内でも重症例や死亡例が報告されています。
とくに小さなお子さんや高齢のご家族と自然で遊ぶときは、
- 「咬まれない工夫」
- 「こまめなチェック」
- 「異変があればすぐ病院へ」
この3つを意識して、大切な家族を守りましょう!
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