子どもの頃に発症すると、大人になっても進行し続ける可能性がある近視。重度の近視になると、網膜剥離のリスクも高くなります。
今回は、網膜剥離の原因や症状、治療法について解説していきます。
「網膜剥離」とは?目の病気の中でも緊急性が高い!
網膜剥離(もうまくはくり)とは、目の奥にある「網膜」が、下にある組織から剥がれてしまう状態のことをいいます。
網膜は、カメラでいうフィルムのような役割をしており、光を感じ取って視覚情報を脳に伝える大切な部分です。
この網膜が剥がれると、視野が欠けたり、最悪の場合は失明に至ることもあります。
網膜剥離の原因とは?
網膜剥離には、いくつかの種類と原因がありますが、主なものは以下の通りです。
1. 裂孔原性網膜剥離(れっこうげんせい)
最も一般的なタイプで、網膜に裂け目(裂孔)ができ、そこから眼球内の液体が入り込み剥がれる状態。
原因:
- 強度近視
- 加齢(50代以降に多い)
- 目の打撲や外傷
- 後部硝子体剥離(年齢とともに起こる目の変化)
2. 滲出性網膜剥離
病気や炎症により、網膜の下に液体が溜まり剥がれる。
例:ぶどう膜炎、腫瘍など。
3. 牽引性網膜剥離
糖尿病網膜症などで網膜が内側から引っ張られて剥がれるタイプ。
網膜剥離の初期症状
網膜剥離は早期発見が非常に重要です。以下のような症状に気づいたら、すぐ眼科を受診しましょう。
✔ 飛蚊症(ひぶんしょう)
黒い点や虫のようなものが視界に浮かんで見える。
✔ 光視症(こうししょう)
暗いところで突然「ピカッ」と光が走るように見える。
✔ 視野欠損
カーテンがかかったように、視界の一部が見えにくくなる。
✔ 視力低下
突然のぼやけ、見えづらさ。
特に飛蚊症と光視症の症状が急に強くなったら要注意。数日で症状が進行するケースもあるため、自己判断せずに眼科へ!
網膜剥離の検査と診断方法
網膜剥離が疑われる場合、眼科では次のような検査を行います:
- 眼底検査(散瞳して網膜を直接観察)
- OCT(光干渉断層計)による網膜の断面チェック
- 超音波検査(眼底が見えにくいとき)
網膜剥離の治療法
軽度ならレーザー治療(光凝固)
網膜の裂け目をレーザーで焼き固め、剥がれを防止します。
痛みは少なく、日帰りで行えることが多いです。
中~重度なら手術が必要
- 硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)
目の中の硝子体を除去し、網膜を元の位置に戻す。 - 強膜バックリング術
眼球の外から圧力をかけて網膜を接着させる。 - ガス注入術
目の中にガスを入れて網膜を押さえ、自然にくっつける。
※手術後はうつぶせ姿勢を保つ必要がある場合もあります。
網膜剥離の予防法はある?
網膜剥離そのものを完全に防ぐことは難しいですが、以下のポイントを意識することでリスクを下げられます。
✔ 強度近視の人は定期的に眼底検査を
近視が強いと網膜が薄く裂けやすいため、年1回以上の検診が推奨されます。
✔ 飛蚊症や光視症が出たらすぐ受診
症状を放置せず、早期発見・早期治療を。
✔ 目のケガに注意
スポーツや事故での目の打撲が網膜剥離の引き金になることも。
まとめ|網膜剥離は「急いで受診」が鉄則!
網膜剥離は、時間との勝負の病気です。
視野が欠けたと感じたら、迷わず眼科を受診してください。
早期に見つけて適切な治療をすれば、視力を守れる可能性は高くなります。
「なんとなく目が変だな」と思ったときこそ、目のSOSサインかもしれません。
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