「妊娠中、ペットの鳥と触れ合っても大丈夫?」
「鳥からうつる感染症があるって本当?」
そんな不安をお持ちの妊婦さんへ。
この記事では、妊娠中に気をつけたい「オウム病(クラミジア・シッタシ感染症)」について、解説します。
🐦オウム病とは?~鳥からうつる人獣共通感染症~
オウム病は、クラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)という細菌によって引き起こされる感染症です。
オウムやインコ、ハトなどの鳥類が感染源となり、人間にもうつることから人獣共通感染症(ズーノーシス)の一つに分類されます。
📌感染経路は?
- 鳥のフンや羽、鼻水などが乾燥して空気中に舞い、それを吸い込むことで感染します。
- 特に掃除中や鳥かごの手入れをしているときに注意が必要です。
🤰妊娠中にオウム病にかかるとどうなるの?
妊娠中の体は、免疫機能が低下している状態です。これは赤ちゃんを異物と認識せずに守るための自然な働きですが、そのぶん感染症にかかりやすく、重症化しやすいというリスクがあります。
👩⚕️妊婦本人への影響
オウム病(Chlamydia psittaci感染症)は、感染してから5~14日ほどの潜伏期間を経て、以下のような症状が出ることがあります:
🧠 主な症状
- 38℃以上の高熱
- 悪寒や全身の倦怠感
- 乾いた咳(痰が少ない)
- 頭痛や筋肉痛
- 呼吸が苦しくなる(肺炎の進行)
- 胸の痛み
- 食欲不振や吐き気
妊娠中はこれらの症状が急速に悪化することがあり、特に肺炎に注意が必要です。
重度の肺炎になると、呼吸機能が低下し、入院や酸素投与が必要になるケースもあります。
👶胎児への影響(母子感染の可能性)
クラミジア・シッタシは、ごくまれに胎盤を通じて赤ちゃんに感染(経胎盤感染)する可能性があります。感染の重症度や時期によって、以下のような影響が考えられます:
🔻妊娠初期に感染した場合
- 胎児の発育不全
- 自然流産のリスク上昇
🔻妊娠中期・後期に感染した場合
- 早産(予定よりも早く出産)
- 死産(胎児が子宮内で死亡)
- 出生後の新生児感染症(呼吸器障害、敗血症など)
ただし、これらの重篤なケースは非常に稀であり、早期に発見・治療すれば母子ともに回復可能です。
🧪診断と治療
診断方法
- 血液検査やPCR検査で原因菌(クラミジア・シッタシ)を確認します。
- 胸部X線で肺炎の有無を調べることもあります。
妊娠中の治療
オウム病はウイルスではなく細菌感染症なので、ウイルス性感冒(いわゆる風邪)とは異なり、自然治癒しにくい病気です。
- 一般にはテトラサイクリン系抗菌薬が使われますが、妊婦には使用できません。
- 代わりにマクロライド系抗生物質(例:アジスロマイシン)が処方されます。
🛡️妊婦ができるオウム病の予防対策
妊娠中は免疫力が低下しやすく、感染症にかかりやすくなります。
以下のような予防策を心がけましょう。
✅ 予防のポイント
対策 | 内容 |
---|---|
鳥との接触を減らす | ペットの世話はできれば家族に任せる |
鳥の健康管理 | 鳥の定期健診を受ける(動物病院) |
マスク・手袋を着用 | 掃除やエサやり時の感染を防ぐ |
フンの処理は慎重に | 乾燥して飛散しないように水拭きで除去 |
体調に異変があれば受診 | 咳や発熱が続く場合は早めに病院へ |
🔚まとめ|妊婦と鳥のふれあいには注意が必要!
ポイント | 内容 |
---|---|
原因 | 鳥から感染するクラミジア・シッタシ |
妊婦のリスク | 肺炎、流産、早産など |
胎児への影響 | 胎内感染の可能性あり(ごくまれ) |
治療 | 抗菌薬で治療可能(妊婦はマクロライド系) |
予防 | 鳥との接触を避け、衛生管理を徹底する |
妊娠中でも、鳥との生活を楽しむことはできますが、感染症のリスクを正しく知ることが大切です。
少しでも体調に異変があれば、無理をせず医師に相談しましょう。
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