夏場や体調不良のとき、「脱水予防に経口補水液(ORS)をこまめに飲んだほうがいい」と思っていませんか?実は、毎日飲むのはNGなケースもあります。
消費者庁も経口補水液は、「スポーツドリンクのように普段の水分補給として飲むものではない」と消呼びかけているというニュースもありました。
この記事では、
- 経口補水液を普段飲んではいけない理由
- 正しい飲むタイミングと量
- スポーツドリンクとの違い
- 日常での正しい水分補給のコツ
について、わかりやすく解説します。
経口補水液とは?どんな飲み物?
経口補水液(ORS)は、脱水症状の改善や予防のために開発された医療寄りの飲料です。
水分だけでなく、ナトリウム・カリウム・ブドウ糖などの電解質が、最適なバランスで配合されています。
代表的な商品:
- OS-1(大塚製薬)
- アクアソリタ
- アルジネードウォーター など
なぜ経口補水液を普段飲んではダメなのか?
① 塩分(ナトリウム)が多すぎる
経口補水液は、100mlあたりナトリウム約115mgと非常に高濃度。
500ml飲むと、食塩約1.5g前後を摂取することに。
🟠【注意】
日常的に飲み続けると…
- 高血圧のリスク増加
- 腎臓への負担
- むくみや心疾患リスクの上昇
特に、高血圧・腎疾患・塩分制限のある方は要注意です。
② 健康時は必要以上のミネラル負担になる
健康な人は、食事から十分なミネラルを摂れています。
経口補水液を飲むと、不要なナトリウムやカリウムを過剰に摂取することに。
→ 体は余分なミネラルを尿として排出しますが、これが腎臓の負担に。
③ 糖分も含まれている
糖分は少なめとはいえ、500mlで**約9g(角砂糖約2個分)**ほどのブドウ糖が入っています。
糖尿病・ダイエット中の方には不向きです。
経口補水液を飲むべきタイミングと量
▶ こんなときに飲もう!
- 発熱・下痢・嘔吐があるとき
- 熱中症の初期症状(めまい・ふらつき・けいれん)
- 炎天下で大量に汗をかいたとき
- 高齢者や乳幼児の脱水が心配なとき
▶ 飲む量の目安
状況 | 飲む量の目安 |
---|---|
軽度の脱水 | 体重1kgあたり 約10〜20ml |
例:体重50kgの人 | 500ml〜1L程度 |
※ 一気飲みせず、30分〜1時間に100mlずつなどこまめに飲むのが理想。
スポーツドリンクとの違い
項目 | 経口補水液 | スポーツドリンク |
---|---|---|
目的 | 脱水症状の改善 | 運動中の水分・エネルギー補給 |
ナトリウム量(100ml) | 約115mg | 約40〜50mg |
糖分 | 約1.8g | 約6〜8g(やや多め) |
吸収スピード | 非常に早い | ややゆるやか |
飲みやすさ | しょっぱくクセがある | 甘くて飲みやすい |
常飲に向くか | ✖ 不向き | △ 控えめならOK |
🟡まとめ:
- 経口補水液 → 体調不良時の“飲む点滴”
- スポーツドリンク → 運動や汗をかいた後に限定して活用
日常の水分補給におすすめの飲み物は?
飲み物 | 特徴 |
---|---|
水(常温) | カロリーゼロ。最も基本で安心 |
麦茶 | ノンカフェインでミネラルも含む。夏におすすめ |
白湯 | 朝の代謝UPにも効果的。胃腸にやさしい |
薄めたスポーツドリンク | 汗をかいた時だけ、1.5〜2倍に薄めて飲むと◎ |
まとめ|経口補水液は「使いどころを見極めて賢く使う」
NG行動 | なぜNG? |
---|---|
健康なときに毎日飲む | 塩分・ミネラルの過剰摂取に |
水の代わりに飲み続ける | 腎臓や血圧への負担が増える |
子どもに常用させる | 虫歯や腎負担リスクがあるため注意 |
「経口補水液は薬のような飲み物」と考えましょう。
日常の水分補給は「水・麦茶」で十分。
経口補水液は、脱水のサインが出たときにだけ使う“お守り”として備えておくのが正解です。
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