赤ちゃんの成長を見守る中で、「そろそろハイハイするかな?」「うちの子、ハイハイが遅い気がするけど大丈夫?」と感じたことはありませんか?
この記事では、赤ちゃんのハイハイとは何か、いつから始まるのか、発達における重要性や促し方について、分かりやすく解説します。
ハイハイとは?
「ハイハイ」とは、赤ちゃんが四つんばいになって手足を交互に動かしながら前進する動きのことです。移動手段としてだけでなく、筋力・脳・感覚統合の発達にも深く関わる重要なステップです。
ハイハイはいつから始まる?
ハイハイは一般的に、生後6〜10ヶ月ごろに始まる赤ちゃんが多いです。ただし個人差が大きく、早ければ5ヶ月で動き出す子もいれば、11ヶ月になってから始める子もいます。
月齢別の目安
月齢 | 発達の様子 |
---|---|
生後4〜5ヶ月 | 首すわりが完成、寝返りができるように |
生後6〜7ヶ月 | ずりばい開始、腕の力が強くなる |
生後8〜10ヶ月 | 四つんばいでのハイハイが本格化 |
ハイハイの重要性とは?メリット5選
ハイハイは、ただの「移動手段」ではありません。赤ちゃんの運動・感覚・脳の発達に関わり、赤ちゃんの発達にとって欠かせない運動です。
近年は「はいはいをしないまま歩き出す子」も増えていますが、実ははいはいを経験することには多くの意味と効果があります。
1.全身の筋肉とバランス感覚の発達
はいはいは、手・腕・肩・背中・腹筋・脚など、体中の筋肉をバランスよく使います。これらの筋肉を使うことによって転びにくくなり、以下の効果があります。
- 姿勢を支える体幹が鍛えられる
- 歩く・立つ準備が整う
- 転んだときに手を出して受け身を取る反応も育つ
2.脳の発達(左右の脳の連携)
はいはいは、右手・左足 → 左手・右足と、交互に体を動かすリズム運動です。交互に体を動かすことによって以下のような効果があります。
- 読み書きや集中力・思考力が育つ
- 左右の脳をつなぐ「脳梁(のうりょう)」の発達が促される
- 手足の協調運動がスムーズになる
3.空間認知力が育つ
はいはいで自由に移動することで、赤ちゃんは「自分と物の距離」「空間の広がり」を学びます。このことによって、以下の効果があります。
- 手先の器用さや運動の正確さにも影響する
- 後の方向感覚・距離感・安全感覚につながる
4.自立心・探索意欲が芽生える
はいはいを通じて、赤ちゃんは「自分で行きたいところに行ける!」という経験をします。自分で動いて物を取りに行くことで主体的な行動が増えるため、以下の効果があります。
- 外界との関わりを自ら広げる経験になる
- 好奇心や探究心、自立心を育てる
5.感覚統合の土台づくり
床に手や膝をつけて進むハイハイでは、肌から伝わる感触や視覚・聴覚・触覚といったさまざまな感覚を同時に使う経験が得られます。こうした体験を通して、感覚を整理し、うまく組み合わせる力(感覚統合力)が育っていきます。この力は、以下の発達につながります。
- 気持ちを落ち着けやすくなる
- 自分の体をスムーズに動かせるようになる
- 周囲に注意を向け、集中する力が高まる
ハイハイを促すための環境づくり
ハイハイをさせてあげたいと思うなら、ハイハイをさせられる環境作りが大切です。赤ちゃんが自然とハイハイを始められるように、以下のような環境を作ってあげましょう。
1. 広くて安全なスペースをつくる
赤ちゃんが自由に動けるように、転んでもケガをしにくい広くて安全なスペースを整えましょう。
- 床にはクッション性のあるジョイントマットやベビーマットを敷く
- 角のある家具にはコーナーガードをつけておく
- 危険なものや小さな部品は手の届かないところに片づける
「ここなら安心して動いても大丈夫」と赤ちゃんが感じられることが、探索意欲や運動意欲の第一歩になります。
2. うつぶせ遊び(Tummy Time)を習慣にする
うつぶせ遊びは、首すわりや腕の筋力、背中・体幹の発達にとても効果的です。これらはハイハイの準備に欠かせない力です。
- 生後2〜3ヶ月ごろから、1日数回、短時間ずつ始めるのがおすすめ
- 赤ちゃんが嫌がる場合は、大人の胸の上でうつぶせになるところから慣らす
- おもちゃや鏡などを使って、うつぶせの時間を楽しいものにする
「うつぶせ=つらい」ではなく、「うつぶせ=楽しい!」と感じられるように工夫しましょう。
3. 少し遠くにおもちゃを置いてみる
赤ちゃんの「欲しい」「触りたい」という気持ちを引き出すことで、自然と体を動かすきっかけになります。
- 赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを、手の届かない見える場所に置く
- 少しずつ距離を調整して、頑張れば届く程度に配置する
- 音が鳴ったり光るおもちゃなど、五感を刺激するものがおすすめ
「動けば届くんだ!」という体験が、次の一歩へとつながります。
4. 声かけ・笑顔でサポートする
ママやパパの励ましが大きな力になります。パパやママが赤ちゃんのすぐ前で声をかけたり、笑顔で見守ってくれることで、赤ちゃんは安心してチャレンジできます。
- 名前を呼んだり、笑顔で「おいで〜」と誘ってみる
- おもちゃを見せながら声かけするとさらに効果的
- 同じ目線にしゃがんで、手を広げて待ってあげると安心感UP
赤ちゃんは大人の反応を見て安心し、「もっと動いてみよう」と思えるようになります。
5. 焦らず、赤ちゃんのペースで見守る
「周りの子はもうハイハイしてるのに…」と焦る気持ちは誰にでもあるもの。でも、発達のスピードには個人差があるのが自然です。
- 無理に練習させようとせず、赤ちゃんが自分で動きたいと思うタイミングを待つ
- 比較せず、その子の「できた!」を一緒に喜ぶ
- 失敗しても怒らず、そっと寄り添う
大切なのは、親子で楽しみながら過ごすこと。それが赤ちゃんの「やってみよう!」を引き出す一番の原動力です。
ハイハイが遅いときのチェックポイント
「うちの子、まだハイハイしない…」と不安に思う必要はありません。中にはハイハイを飛ばしてつかまり立ちや歩行に進む子もいます。
しかし、生後10〜11ヶ月を過ぎてもまったく移動の兆しがない場合、以下の点を観察してみましょう。
- 手足の左右差が極端ではないか
- うつぶせを極端に嫌がらないか
- 他の発達(表情、反応、音への反応など)は順調か
もし心配な点があれば、かかりつけの小児科医に相談するのが安心です。
まとめ|ハイハイは赤ちゃんの大切な発達ステップ
ハイハイは、単なる「歩く前の段階」ではなく、心と体と脳の土台をつくる大切な発達ステップです。
しかし、ハイハイが始まる時期には個人差があります。無理に歩かせようとせず、自分のペースでたっぷり楽しめるよう焦らずに見守りながらハイハイしやすい環境を整えてあげましょう。
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