交通事故や転倒のあと、「脳挫傷」という診断を受けて不安になっていませんか？
本記事では、脳挫傷とは何か、症状や原因、後遺症、治療・リハビリ方法までを、医療知識がない方にも分かりやすく解説します。
脳挫傷とは？｜頭を強く打ったときに起こる脳の損傷
脳挫傷（のうざしょう）とは、外部からの衝撃で脳の組織が傷つく状態です。簡単に言えば、「脳の打撲」です。
脳挫傷の主な原因
- 交通事故（車、自転車、バイク）
- 転倒・転落
- スポーツや作業中の事故
- 暴力による頭部打撲
脳が頭蓋骨の内側にぶつかることで出血や壊死が起こり、さまざまな症状につながります。
脳挫傷の主な症状
脳挫傷の症状は損傷の部位と程度によって異なります。
急性期（発症直後）に見られる症状
- 意識障害（意識を失う、昏睡状態）
- 頭痛、吐き気
- 記憶障害（事故前後の記憶がない）
- けいれん発作
慢性期（回復後）に現れることがある症状
- 記憶力の低下
- 注意散漫、集中力の低下
- 感情のコントロールが難しくなる（怒りっぽい、涙もろいなど）
- 言語障害や運動障害
脳挫傷の後遺症とは？
脳挫傷の後遺症は「高次脳機能障害」と呼ばれることがあり、見た目では分かりづらいですが、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
よくある後遺症
- 無気力・うつっぽさ
- 記憶障害（短期記憶の低下）
- 感情の起伏が激しくなる（易怒性）
- 判断力の低下
- 手足のしびれ・麻痺
脳挫傷の診断方法
- CT検査：頭部の出血や骨折の有無を確認
- MRI検査：脳の損傷の詳細を確認
- 神経心理検査：高次脳機能障害の有無を評価
脳挫傷の治療とリハビリ方法
急性期（入院中）
- 脳圧を下げる薬の投与
- 点滴や呼吸管理
- 必要に応じて開頭手術で血腫を除去
慢性期（回復期）
- 作業療法（OT）
- 言語聴覚療法（ST）
- 理学療法（PT）
- 認知リハビリテーション（記憶や注意力の訓練）
脳挫傷の家族や周囲の人ができること
脳挫傷の方への接し方もとても大切です。症状は「本人のわがまま」ではなく、脳の損傷によるものであると理解して関わりましょう。
サポートのポイント
- 感情的にならず、安心感を与える
- スケジュールや行動の見える化（メモ、予定表など）
- 達成感を得られるような役割を作る
- 専門機関（高次脳機能障害支援センターなど）に相談する
まとめ｜脳挫傷は正しい理解と支援が大切
脳挫傷は、命に関わることもある重大な脳の外傷です。軽症の場合でも、数か月～数年にわたるリハビリやサポートが必要になることもあります。
本人と家族がともに病気を理解し、長期的な支援と希望を持って向き合うことが回復の鍵です。
コメント