小学校で卵アレルギーの子どもが卵料理の器に触れてしまい、正しい対処法ではなかったと提訴されてしまうニュースがありました。
学校などでアレルギーを持つ子どもがうっかり卵に触れてしまった時、周りはどう対応すれば良かったのでしょうか?
今回は、「卵アレルギーの子が体のどこかに卵が触れてしまったとき、どう対処すればいいのか?」について、わかりやすくまとめました。
卵に触れてしまったときの対処法
卵に触れてしまったときの対処法は、4つあります。
- まずは落ち着いて、すぐに洗い流す
- 症状がないかよく観察する
- 塗り薬や飲み薬の使用する
- エピペンを使用する
1. まずは落ち着いて、すぐに洗い流す
卵が皮膚に触れてしまった場合、まずやるべきことは落ち着いて洗浄することです。
- 流水でしっかり洗い流す
- 石けんを使ってやさしく洗う
- こすりすぎないよう注意する
このとき、大切なのは“すぐに”対応すること。卵のたんぱく質が皮膚に残っていると、赤みやかゆみ、湿疹などの皮膚症状につながることがあります。
2. 症状がないかよく観察する
洗った後は、お子さんの様子をしばらく観察しましょう。特に以下の症状が出ていないかチェックしてください。
- 赤みやかゆみ
- ブツブツ、じんましん
- 触れた部分が腫れてくる
軽度の症状であれば、冷やしたタオルで患部を冷やすことで、かゆみや炎症をやわらげることができます。
3. 塗り薬や飲み薬の使用する
症状が出た場合はかかりつけ医の指示に従い、アレルギー科などで処方されている以下のような薬を使用します。
- 抗ヒスタミンの塗り薬
- 症状が広がっている場合は、飲み薬の抗アレルギー薬
薬を使うか迷う場合は、自己判断せずにかかりつけ医に連絡しましょう。
4. エピペンを使用する
次のような呼吸、意識、全身症状が出てきたら「アナフィラキシーの危険サイン」です。迷わずすぐにエピペンを使用し、救急車を呼んでください。
エピペンを使用するべき症状
◎呼吸器の症状
- 息苦しい、呼吸が速くなる
- ゼーゼー、ヒューヒューという音
- 声がかすれる、咳が止まらない
◎循環器の症状
- 顔色が悪い
- 意識がもうろうとする、ぐったりする
- 血圧低下(顔が青白い、脈が弱い)
◎その他
- 全身にじんましんが急速に広がる
- 唇、舌、まぶたが腫れてきた
エピペンの使い方(手順)
- エピペンを取り出す
- 青い安全キャップがついた状態で、オレンジの先端を太ももの外側に当てます。
- 服の上からでもOKです(厚手でない限り)。
- 安全キャップ(青)を引き抜く
- 上に引き抜いて外します(まだ注射はされません)。
- 太ももに垂直に強く押し当てる
- 「カチッ」と音が鳴るまで太ももの外側にしっかり押し付けます。
- 押し当てたまま10秒間そのまま保持します(薬液が注入されます)。
- 抜き取って様子を確認
- 針が自動的に中に戻るので、刺さった針は見えません。
- オレンジの先端を確認し、針が出ていないことを確認します。
- 使用後は救急車を呼ぶ
- エピペンは応急処置です。必ずすぐに119番に通報して、医師の診察を受けてください。
- 救急隊に「エピペンを使用しました」と伝えてください。
エピペンの使用するときの注意点
- 重症化を防ぐため、迷ったら早めに使用しましょう。
- エピペンを使った後に症状が軽くなっても、必ず病院へいきましょう。
- 一度使ったエピペンは再使用できません。使用済みでも必ず医療機関へ持参してください。
- 有効期限が切れていないか、定期的にチェックしておきましょう。
エピペンを使用すると分かっていても経験がなければ使用するのに躊躇してしまいます。いざという時に使用できるようにエピペンの使用方法を知っておきましょう。
まとめ
今回のような「うっかり接触」につながったのは、食事中だけでなく給食準備中や片付けの際の不注意や学校と家庭との連携が不十分だったことでしょう。
卵に触れないような対策や保護者に連絡した際の共有方法をもっと密に連携しておけば、防げたのかもしれません。
どんなに注意していてもいつどこで「うっかり接触」してしまうか分かりません。学校だけ、家庭だけと片方にだけ頼るのではなく、本人をはじめ周りのみんなが協力して安心できる環境を整えていきましょう。
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