赤ちゃんが何かを見つけて、じーっと見つめたかと思うと、ちいさな指で「これ!」と指さす…。
この「指差し」こそが、ことばの始まりのサインかもしれません。実は、指差しとことばの発達は密接に関係しているんです。
今回は、赤ちゃんがなぜ指差しをするのか、その意味やことばとのつながり、親ができる関わり方について、わかりやすく解説します。
指差しとは?赤ちゃんの大切な“ことばの前ぶれ”
赤ちゃんが、ものを見つけて「これ!」とばかりに指をさす姿。とてもかわいらしいですよね。
実はこの「指差し」こそが、言葉の発達にとってとても大切なサインなのです。
指差しとは、赤ちゃんが自分の気持ちや関心を伝えるために人差し指を伸ばす行動のこと。
まだうまく話せない赤ちゃんが、「見て」「あれがほしい」「これはなに?」など、非言語でコミュニケーションをとろうとする第一歩です。
🗓 指差しはいつから?3つの種類とその意味
赤ちゃんの指差しは、生後9〜11か月頃から見られることが多く、次の3つの種類に分けられます。
種類 | 内容 | 出現時期の目安 |
---|---|---|
① 要求の指差し | 「あれがほしい」など、欲求を伝える | 生後9〜10か月頃 |
② 共感・共鳴の指差し | 「見て!」と大人と関心を共有する | 生後11〜12か月頃 |
③ 質問の指差し | 「これはなに?」と問いかける | 1歳〜1歳半頃 |
このように、指差しは種類によって“伝えたいこと”が異なり、社会的なやりとりの土台になっています。
🧠 なぜ「指差し」は言葉の発達に関係するの?
指差しは、ことばの理解・表現を支える重要な行動です。具体的には、以下の点で言語発達と深く関わっています。
✅ 1. 「言いたいこと」がある=伝えたい意志がある
話す前に、赤ちゃんが“伝えたい”という意図(コミュニケーション意欲)を持っていることが、ことばの発達の前提です。
指差しはその意志の現れです。
✅ 2. 親の反応が“ことばの学び”に
赤ちゃんが指差したときに、「あっ、ワンワンだね!」などと反応してあげることで、言葉と対象が結びつきます。
これが語彙の習得につながります。
✅ 3. 社会的コミュニケーションの基礎をつくる
「共感の指差し」や「質問の指差し」は、相手と気持ちを共有する力(共同注意)を育てます。
これは、会話や言葉のキャッチボールの基礎となります。
指差しを育てるには?親ができる3つの関わり
赤ちゃんの指差しを自然に育て、ことばにつなげるために、家庭でできることをご紹介します。
① 指差しに反応してあげる
「わんわんだね!」「あそこにあるね!」と、赤ちゃんの気持ちに言葉で応えてあげることで、言葉と物がリンクします。
② 絵本を活用する
絵本を読みながら「ワンワンはどこ?」と問いかけたり、「ここだよ」と指差ししたりすることで、指差し+ことばのやりとりができます。
🧸 ③ 指差しを楽しむ遊びをする
お散歩やお部屋で、「これはなにかな?」と声かけをしながら、一緒に探す・さす・応えるという経験を積みましょう。
指差しが見られないときは?
1歳を過ぎても指差しが見られない場合、言葉の発達や発達全体の様子を観察する必要があります。
相談を検討すべきサイン
- 指差しを全くしない(1歳半以降も)
- 周囲への興味が薄い
- 呼びかけに反応しない
- 言葉が極端に遅れている
→ 小児科・保健センター・発達支援センターなどで早めに相談することで、安心して対応ができます。
まとめ|「指差し」はことばの入り口!
ポイント | 内容 |
---|---|
指差しとは? | 赤ちゃんが気持ちや関心を伝える非言語的コミュニケーション |
出現時期 | 生後9〜12か月頃から(個人差あり) |
ことばとの関係 | 意志を伝える力・語彙習得・社会的やりとりの基礎になる |
育て方 | 声をかける/絵本でやりとり/遊びの中で経験を重ねる |
「指差し」は、赤ちゃんの「伝えたい」「わかってほしい」という心の表れです。
このサインをしっかり受け止めてあげることが、ことばの芽を大きく育てる力になります。
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